電子ギフト詐欺、9割はApple悪用 警察庁が対策要請 ネットで詐欺被害

悪質サイト

特殊詐欺の送金方法として、銀行送金や手渡しではなく、ギフトカードを買わせてそれを送信させて騙し取る手法が流行っており、今の流行はAppleギフトカードになっているそうです。

そのため警視庁は、Appleやコンビニに対策を依頼したとあります。

2024年6月11日 日経新聞

電子ギフト券を悪用した特殊詐欺が急増しており、警察庁などは米アップルやコンビニエンスストアに対策の強化を要請する。電子ギフト券が絡む詐欺被害は1〜3月に5億円を超え過去最悪のペースで、「アップルギフトカード」の悪用が9割を占めた。アップルに不審な取引の防止措置、コンビニ業界には会計時の注意喚起を求める。

電子ギフト詐欺、9割は「アップルギフトカード」悪用 警察庁が対策要請 - 日本経済新聞
電子ギフト券を悪用した特殊詐欺が急増しており、警察庁などは米アップルやコンビニエンスストアに対策の強化を要請する。電子ギフト券が絡む詐欺被害は1〜3月に5億円を超え過去最悪のペースで、「アップルギフトカード」の悪用が9割を占めた。アップルに...
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特殊詐欺の今の流行はAppleギフトカード

特殊詐欺のお金を受け取る方法で、10年ほど前に一気に広まったのが現金の代わりにギフトコードを遅らせる手法です。

以前なら銀行に振り込ませていたので「振り込め詐欺」と呼ばれていましたが、銀行の口座を作るのが難しくなったり、振り込んだお金を引き出すときに逮捕されるリスクなどがあります。ところがギフト券のコードならメールやSNSのアカウントを使えば遠隔で受け取ることができるので、その場で逮捕されずに確実に受け取ることができ、受け取る係も必要ありません。

流行った当初は、Amazonギフト券が主流でしたが、その後はnanaco、ビットキャッシュ、楽天ギフトカード、nanacoなどが標的にされています。
みてもわかる通り、基本的にお金と同じ感覚でショッピングに使えるギフトカードが的になりやすいのですが、その理由はやっぱり換金率が高いからでしょう。

20424年7月現在、電子ギフト券のコードの買取相場で一番高いのは、楽天ギフトカード、PayPayギフトカード、Quoカードpay、nanacoあたりになります。どれも買い物ができるギフトコードですが、nanacoは以前特殊詐欺の標的にされてからコードの販売はしておらず、ポイント交換で入手したものだけが出回っています。PaypayとQuoカードpayは売り物ではないので、騙した相手に買わせることができません。
唯一楽天ギフトカードはコンビニやスーパーなどで購入可能なので特殊詐欺でも使われることがあるそうですが、インターネット上では買えないためあまり人気がないようです。

Appleギフトカードが狙われる理由は記事にも書いてありましたが、AppleギフトカードでiPhoneやiPad、Macなどの製品の購入に使えることが大きいでしょう。
iPhoneなどが購入できることでAppleギフトカードの人気が高いので、換金時の買取率が高いうえに換金にかかる時間も短いです。

今年の1~3月の被害のうちの9割がAppleギフトカードだったということは、今はApple以外のギフトカードは詐欺のツールとしては相当使いにくいのかもしれません。

Appleギフトカードをパソコンで騙し取られる

最近増えているのが、パソコンがウイルスに感染したとか、パソコンの情報を抜き取ったとか、データが流出してすぐに対策しないと悪用されるとか、古典的な手口ですが脅迫まがいの手法は今でも流行っているようです。また中には本当にウイルスを仕込んでノートパソコンのカメラまで起動させるものもあるそうです。そこまで来ると詐欺よりもむしろ脅迫ですね。

AppleギフトカードをSNSで騙し取られる

わたしたち人間は欲望が理性を上回ってしまうと、ふだんは騙されないような嘘も信じてしまうことがあるんですね。そうするとふだん「SNSは危ないですよ~」とどんなに言われても、一定数の方が騙されてしまいます。
そして匿名で好き勝手ができるSNSには、人を騙すプロがたくさんいます。

  • 素敵な異性
  • 儲け話
  • 将来の夢
  • 信頼できる大物

SNS上の相手がどんな人でも、あなたにうまい話を持ってくるのは99%が人を騙すプロです。ギフト券を送って、と言われたらまず騙されていると考えましょう。
自分が信じそうになったら「相手は人を騙すプロ」だと思い出してください。

偽のギフト券の買取業者

主にX(旧Twitter)ですが、普通では考えられない高額な率でギフト券を買い取る、といってギフトコードを送らせてだまし取る詐欺があります。ギフト券の買取業者がXだけで買い取り業務をやるわけはないので、普通の精神状態なら騙されないと思いますが「98%で買い取ります!」とか言われると騙されちゃう人が後を絶たないんですよね。

SNS上でしか買取していない、業者名やアカウントで検索しても本人が発信した情報しか出てこない、といった情報が少ない業者は絶対に使わないようにしましょう。

ギフト券の代理販売

ここ数年で流行っているのが、ギフト券の売却代理です

Appleギフトカードを買取サイトで騙し取られる

ギフト券の買取業者はホームページがちゃんとあっても、詐欺サイトの可能性もあります。

  • コードを送ったら連絡が取れない
  • 買取率95%のはずが、手数料が50%で半額以下しか振り込まれない
  • ギフトカードが使えないといわれて振り込まれない
  • 大手のサイトだと思って申し込んだら、コピーの偽サイトだった

インターネット上は無法地帯で、こういった不正なサイトもたくさん存在します。初めてサイトを使うときはサイト名をネットで検索して口コミなどを確認しましょう。

騙し取られたら取り返せない?

どの手口でやられたとしてもそのままギフト券の購入を電話やオンラインで指示されてそのままギフトコードを送ってしまえば取り消すことは難しいですが、いくつかの方法で取り戻すことができるかもしれません。

発行会社に連絡してキャンセルする

もし送った後にそんなに時間が経っていなければ、犯人がまだ使っていない可能性があります。まだ残高が残っていれば、AppleギフトカードならApple、楽天ギフトカードなら楽天にすぐに連絡して、カードを無効にしてもらいましょう。

またどこかにチャージしていたとしても、Appleや楽天ならアカウントを止めてくれることもあります。そこで残高が残っていれば購入自体をキャンセルして返金してもらえる可能性も出てきます。これもできるだけ早くにやるべきでしょう。

Amazonなら再送もできる

Amazonで購入したAppleギフトカードなら、残高が残っていれば、購入履歴の詳細から「再送」をすると、犯人に送ったギフトコードが無効になって、自分に新しい有効なギフトコードが発行されます。

発行元に問い合わせをしなくても、自分のAmazonアカウントにログインすれば自分ですぐにできるので簡単です。

Appleギフトカードを代理で売るのも危険

犯罪者が詐欺で騙し取ったAppleギフトカードは、ギフト券の売買サイトに出品されたり、SNSで他人に売らせてマネーロンダリングされたりすることが多いです。

特にSNSで「自分の代わりにギフト券の買取業者にAppleギフトを売ってくれたら報酬をあげます」みたいなものに騙される人が後を絶ちません。
犯人が自分で騙し取ったギフト券を売ると足がついてしまうので、SNSで騙した相手に売らせて、そのお金をまた別のギフト券を買わせてコードを受け取ったりします。

取引した時点では問題がないことが多いので、買取業者との取引も犯人が言う通り無事終了しますが、しばらくして被害者が騙されたことに気づいて、ギフト券をキャンセルしたり警察に被害届を出したりすると、ギフト券の買取業者から返金を求められたり、警察から詐欺の共犯として捜査されたりすることになります。

SNSで「ギフトカードを売って欲しい」と人に頼まれたら絶対に断りましょう。

また頼まれた際に身分証や口座の情報を送ったりすると、あとでそれを悪用されたり脅されたりすることもあります。個人情報を知らない人に教えるのは絶対にやめましょう。

特殊詐欺のAppleギフトカードを買ってしまう可能性

騙し取ったAppleギフトカードを犯人が自分で使うと捕まってしまうので、その多くが個人間売買のサイトで出品されるか、電子ギフト券の買取業者に買い取られているといわれています。

アマテン、アマギフト、ベテルギフト、ギフティッシュなど、ギフト券の個人売買サイトで出品されているAppleギフトカードの中にも、騙し取られたものが混ざっています。
またTwitterで個人が安く売っているものも本当に危ないものが多いです。

トラブルに巻き込まれたくなければ個人間売買のAppleギフトカードは買わないようにしましょう。

特殊詐欺のAppleギフトカードを使ったらどうなる?

特殊詐欺で騙し取られたAppleギフトカードが存在するので、当然そのギフトカードを使う人もいます。騙し取られた被害者は、泣き寝入りして諦めるか、警察やAppleに相談することになるでしょう。

最初から使えないかも

手に入れたAppleギフトカードを使おうとしたときに、すでに被害者がキャンセルしたりAppleが無効にしていることがあります。
その場合はAppleギフトカードはアカウントにチャージしたり、Appleストアの決済で使うことはできません。

AppleIDにチャージすると

Appleギフトカードが有効で、自分のアカウントにチャージした場合。

被害者が諦めてAppleや警察に連絡しなければ、普通のAppleギフトカードと同じなので問題ありません。

もしあなたがアカウントにチャージした後に、Appleや警察に相談した場合、アカウントの残高からそのAppleギフトカード分の残高が引かれたり、最悪の場合はAppleIDが凍結されることもあります。

またAppleIDにチャージすると警察が調べればあなたが使たことがわかるので、警察から問い合わせがある可能性もゼロではないです。

まとめ

電子ギフト券が特殊詐欺で使われるのは今に始まったことではありません。選ばれる券種はその時期にギフト券買取業者の買取率が一番よくて入手しやすい券種で、いまはAppleギフトカードが選ばれているという記事でした。

Appleストアでは、去年の秋頃から店頭ではAppleギフトカードでiPhoneなどの買い物ができないようになっていますが、それも今考えると店頭での買い物は匿名になるので、そこで犯罪絡みのAppleギフトカードを使わせないための対策なのかもしれません。

これからもっとAppleギフトカードの対策が進めば別のギフト券が狙われるかもしれませんし、Appleギフトカードの相場が下がれば自然と他の券種にシフトすると思われます。

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